ビル外壁の剥落事故について、新聞・テレビ等においては「外壁タイルが落下」「タイルが崩れ落ちる」など、あたかもタイルの事故であるかのような間違った 報道がなされています。このように不適切な報道姿勢は一般 の方々に『タイルは落ちるので危ない』という誤解を呼ぶものであり、当協会はこうした事故についてその実態を調査し、報道機関への抗議を行っています。
この崩落事故原因は、斜壁部分に施された『防水層とコンクリート躯体の界面 』で接着力が低下し『防水層』からズレ落ちたものです。タイル自体が剥がれ落ちたとか、タイル施工に問題があって発生したものではありません。 しかしながら報道では、『タイルが崩れ落ち』あるいは「外壁タイルが落下」などあたかもタイルの事故であるかのように報道されました。たまたま表面 をタイルで仕上げられた外壁が落下したものであります。この崩落した斜壁が塗装仕上げであった場合、『吹き付け塗装が落下』と報道されたでしょうか。
6月14日の「ニューリバービル」斜壁崩落事故を受けて国交省は6月16日付で、全国の地方公共団体に対し『容積率 400%以上で避難路沿いの3階建て以上の斜壁を持つ建物』の調査を実施しました。対象は『外壁タイル張り、モルタル下地吹き付け仕上げ等の外壁』「剥落 のおそれのある外装仕上げ材』であり、タイルと特定した調査ではありません。9月1日の国交省中間報告の際にも報道記者の質問に対し、担当官は『下地に問 題があって地すべり的に落ちた』『ひび割れなどから水が侵入し下の防水層が劣化して落ちた』等の説明がなされ『タイルが落ちた』『タイルが原因』との発言 はありませんでした。にもかかわらず一部報道においては『タイルの剥がれ落ちる事故』あるいは『608棟がタイル落下の危険性』など、中間報告およびその説明から逸脱した内容になっています。報 道表現はあくまでも正確を期し、拡大解釈あるいは記者の独断は極力排除されて当然のことと思います。マスコミの大きな使命は、正確な報道によって同様の事 故の再発を防止することにあると思います。そのためには安易に『タイルが落下』で済ませるのではなく事故原因の究明、施工技術研究を促すような報道を強く 要望するものであります。
あらゆる外装仕上げ材の剥落事故を未然に防ぐために、当協会では『設計上の配慮事項』『施工管理上の注意事項』等の技術資料を発刊し、関連の分野に 広くご提供しています。これらの資料の中で例えば『斜壁』へのタイル施工について『斜壁(セットバック部)へのタイル張りは、防水層を設けるとともに、ス テンレス製のアンカーピン+メッシュ筋等で物理的に固定した下地モルタル層を作成した上で行う』『斜壁部において、防水層の上に物理的固定無しに下地モル タルを作成すると、防水層との界面 で剥離・剥落を起こす場合がある』と記載しています。今後の事故防止のために、関係各位にはこうした工程を重視した十分な配慮を強く要請するものでありま す。
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